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漆掻き 2辺目「上げ山」(2024.6.13)

漆掻き 2辺目「上げ山」(2024.6.13)

漆掻きの2日目。初日から5日後である(五日山)。
天気は快晴。「漆掻けるかな?」という心配は一切なかったのだが、むしろ前日に続く暑さ(予想最高気温31℃)が心配だった。冷たい飲み物なども十分用意した。
前回 初日の〝目立て〟(1辺目)はウルシに傷をつけるだけで漆を採らなかったが、今日の〝上げ山〟(2辺目)からは漆も採っていく。うまく傷つけて、漆が出てくれて、うまく採れるのか。道具(カマやヘラなど)はきちんと準備できてたのか。
自分で採れるわくわくと、ウルシの木を必要以上に傷つけ弱らせてしまわないかという不安が入り混じり、少し上ずった気持ちで大鰐・長峰に車を走らせた。

7時半に到着。山ということもあるのか、少し涼しいくらいの気温だった。
そして遠藤さんの説明を聞いていざ始めようという時に、漆連 副代表の葛西の「道に迷った」という電話で一騒動。その後ちょうどここに来る今年人さんに偶然出会って葛西は事無きをえたが、私は出端を挫かれたのであった‥‥

目立ての傷から出た〝ベロ〟

さて、仕切り直してまず〝カマズリ〟から。
目立てを行ったところを見てみると、採らなかった漆が固まっている。舌のように漆が出て固まることが多いことから、〝ベロ〟と呼ぶらしい。しっかりベロができている(漆の出がある)ことからも、このウルシたちの漆の出はよさそうなようだ。上げ山のカマズリはこのベロも取っていく。

 

まずは連続して行うことで感覚を掴みたかったので、5本まとめてやることに(というか私は5本しかないのだ‥)。
少し動きが慣れてきたところもあったが、ほとんどうまくいかない。道具の不備もあるし、カマの動かし方、刃の入る角度、力の入れ具合、カマズリする場所、一本一本個性のあるウルシの外樹皮の厚みや堅さ。無駄な動きばかりなこともありすぐ手が疲れてきて、ただでさえ覚束ないコントロールがさらに不自由になっていく。
本当に難しく、別の木で練習したりもした。遠藤さんの体とカマが一体化した動きに見惚れる。
決めた立ち位置からあまり動かずに左右のカマズリをするのだが、右利きの私は右上の外樹皮がうまく剥がせなかった。立さんも同じ悩みを持っていたようで少し安心する。「その時は右足を一歩踏み出してやったらいいよ」と遠藤さんからアドバイスをもらう。

5本カマズリするのに1時間以上かかったのではないか。必要以上に広い面積をカマズリしてしまったり、内樹皮を出したりしてしまった。ウルシ、ごめんなさい‥‥

〝カマズリ〟と今親子
目立てと上げ山の傷

カマズリが終わり、カンナで傷をつけて漆を採っていく。目立て部分の真上に、指二本分くらいの傷を地面の水平面と平行につけていく。
まずカンナの刃を噛ませ、幹に沿って引く。刃を噛ませてからスポンと引き抜いた目立ての時ともまた違う動き。目立ての時は少し浅いことが多かったのでもう少し深く刃を入れようと思っていたが、かといって深く入れすぎるのもよくなく(特に最初でもあるし)、塩梅が難しい。また地面と平行に傷をつけるのも難儀した。特に低いところは体も合わせて落としてカンナを入れるのだが、うまくいかないことも多かった。

 

5本全て傷をつけてから漆を採取していった。5本目にカンナを入れたあと最初に傷をつけたところに戻ったら、漆が傷のところにたくさん滲み出て溜まっていて、もう下に樹皮に垂れるものもあった。漆の出がいいということもあるだろうが、カンナの作業スピードが遅すぎる。これでは盛辺の時に効率が悪かったり漆を無駄にしてしまうだろう。
タカッポを傷のお尻の部分に用意しておく。ヘラを傷の頭からお尻に向かって動かし、漆を掬い取ってタカッポの中心目がけて投げ入れる感覚。ヘラに残った漆はタカッポの縁でこそげ取る。なかなか一回で綺麗に漆を取れず、2回3回とヘラを入れてしまう。効率も悪いし、ウルシを弱らせてしまうことにもなるだろう。またタカッポに向かって掬い取る過程で漆を地面に垂らしてしまうこともあり、非常にもったいない気持ちでいっぱいだった。

タカッポに採ったばかりの漆

一傷一傷から採れる漆はとても微量だが、5本を一回周ってタカッポに入った漆を見てみると内側面に垂れているだけでなく底にも少し溜まっていて(ごみは多く入っていると思うが)、とても温かい愛おしい気持ちに包まれてこの日の作業を終えた(ちなみに、採れた漆は6.2g/5本 でした)。

器に移した漆 6.2g

 

 

 

 

 

 

 

 

(木村崇)