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大鰐の漆掻き 7辺目(2024.7.5)

大鰐の漆掻き 7辺目(2024.7.5)

7月に入った。漆掻きを初めて1ヶ月ほど経ったことになる。早起きにも慣れつつある。
天気は曇り。湿度がいつもよりも高い。黄色い葉は減っている様子(落葉したということもあるか)。傷跡から出た漆は、先日の雨で墨を流したように垂れ広がっている。5:30作業開始。

カマズリはできるだけ薄く均一の厚みにすることを心掛けた。結果、内樹皮が見えてしまったのが今までで最も多くなってしまった。もう前回のカマズリでだいぶ薄くなっているのだから、上の部分を荒削りしながら少し手を加える感じはどうだろうか。
また前に出た漆が固まったものもきちんときれいにしておくとよいと遠藤さんにアドバイスをもらう。今の作業効率も含めてその方がよいようだ(そのことにちゃんと気付いたのは盛辺に入ってからだった)。

カンナは前回よりもほどよい深さ(浅さ)で入れることができたが、それでも木部がまあまあ出てしまった。傷の長さは6辺目よりもすこし伸ばす程度に。木は末広がりだから、鼓掻きのことろはもう少し伸ばしていいとアドバイスをもらう。少しずつ傷の長さが長くなってきて、やっぱり腕を含めた体の強さは最低限必要だと痛感する。下の方の辺は膝を曲げて腰を落として行うから、下半身の強さも必要だ。

メサシは指1〜3本分入れた。木の太さや状態によって長さを少し変える。梅雨入りしているし、雨・霧とメサシの兼ね合いは重要だ。

7辺目は、漆がよく出る木から順番にカンナを入れて漆を採っていったのが奏功したのか、採量が5、6辺目よりもぐんと増えた。私の場合2倍くらい採ることができた。漆の出からして、木のスイッチが入ったのかもしれない(遠藤)。同じ木で何回もヘラ入れできるほどで(スピードが足りないからでもある)、漆が垂れる処理が大変なほどであった。
漆の質感もちょっと違っていて、水っぽくなかった。盛漆に近づいているのだろうか。
鼓掻きも少しずつ地面のほうに近づいてきた。草も最も生長するときなので、目立て(1辺目)の時に刈った草が伸びてきてタカッポに当たるようになってきた。草が原因でタカッポ中の漆をおこぼしてしまうことがあるそうなので、気付いた時に刈っておく。

初辺、容器にいっぱいになってきた

家に帰って採った漆を容器に移し替える。その時に漆を掬って和紙の上に垂らす。トップの画像がそれだ。一番右が7辺目の漆になる。こうやってそれぞれの辺の漆を比較することで、漆の水分量や乾きや厚みなどを把握することができる。
移し替えると初辺の容器がいっぱいになった。今回7辺目で初辺を採り始めて6回目、回数や時期、漆の質感的にも初辺はあと1、2回だろうか。盛辺以降の漆も思っていた(200g/1本の木)よりも採れそうなので桶を買うことにした。桶の大きさに悩むが、多く採れることを願って4kg桶も1つ買うことに。ウルシさん、お願いしますね。

 

 

 

 

 

(木村崇)