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大鰐の漆掻き 5辺目(2024.6.26)

大鰐の漆掻き 5辺目(2024.6.26)

風雨・暑さで落ちた花

雲は低く垂れ込め、途中大鰐は小雨も降っていたが、総じて曇りで気温も高くなく良いコンディションである。
6/23に梅雨入りした。前夜も少し降っていたようだが、幹はそれなりに乾いている。花がたくさん落ちて地面を覆い尽くしていた。

カマズリしすぎない、カンナの力の入れ加減・傷をきれいにつける、ヘラ入れの角度、この3点に特に注意して本日の漆掻きをすることにした。
4辺目までに横幅は十分にカマズリできているから、今回は縦だけやる感じにした。少しの面積できていればいいのに、不安で広くしたくなってしまう。そして何度もやって内樹皮を出す悪循環。
はみ出た固まった漆を軽くとるのもなかなかうまくできない。カマの角度をうまく把握できていない。

 

傷の長さの目安は見える面の半分くらい。5辺目から傷を少し伸ばしてもよいが、慎重に。

4辺目までの傷跡、長すぎる

4辺目の傷跡を見てもらえばわかるが、私はストッパーがかかってないような仕方でも傷が長くなっている。最後は目立ての時のようにピッと上に引き抜くとよいとアドバイスをもらう。しかし今度は逆に傷が前の辺よりも短くなったりして、コントロールがままならない。
カンナを入れた感触は、木に水分が多かったからなのか、全体的に柔らかい感じがした。カンナは引きやすいが、逆に深く入りすぎることもある。かといって浅くはならないようにしたい。

メサシは5辺目で初めて入れることになった。メサシは、カンナのU字の部分で傷をつけた後、U時の逆側についている切先を使って傷つけた内部にさらに線状の傷を入れることである。
今まで引っ張ってきたからなのか、楽しみと緊張の瞬間。最初のメサシなので傷の中央に点(線ではなく)をつける感じで行う。「プチッ」といういい音。深く傷が入り過ぎず、いい感じのようだ。

4辺目よりも短くなってしまった傷😭

 

今日もちゃんと漆が滲み出してきてくれている。一般的には5辺目くらいから漆が増え始め、それなりに忙しくなる。最初は少し木水っぽい感じがしたが、そのあと乳白色の漆っぽいものが出てきた。少しどろっとする感じ(後に盛辺を経験すると改めて粘度が高かったかなと実感する)。1番いい初辺で、盛辺に近づいているそうだ。5、6辺目が初辺の多くを占めるとのことだったので、無駄がないように一生懸命採る。漆を採ることが、そこからさらに漆が出る呼び水にもなるそうだ。

5辺目は80g採らせてもらうことができた。私は5本中3腹の木が3つもあるので、本数の割にはすこし収量が多いのかもしれない。
梅雨入りしたとのことで今後の天気が少し気がかりだが、これからが漆が出るシーズンなので木を壊さないように慎重にやっていきたい。

茶碗に移し替えた漆

 

 

 

(木村崇)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5辺目までにとれた漆・初辺